マイスターはデザイナーのラフスケッチに基づいてリングの製作を開始。職人とデザイナーとの間では、製作途中でたびたびディスカッションが重ねられます。
「ユーロウェディングバンドストーリー」
この模様は世界にひとつだけ。
マーブルリングの美の秘密に迫る。
金属と炎と人の手がつくり出す、静かな迫力とエレガンス。
丹念な手作業の積み重ねから生まれた、オンリーワンの輝きです。
マイスターはデザイナーのラフスケッチに基づいてリングの製作を開始。職人とデザイナーとの間では、製作途中でたびたびディスカッションが重ねられます。
混合比率の微妙な違いで変化する、カラーゴールドの色合いと硬度。この地金の配合はリング製作の基盤であり、工場や職人の個性が表れる部分でもあります。
鍛造工場で余分なガスが抜けて、地金の密度は均一になり、硬度は増します。この秘密で粘りのある地金から、マーブルリングのための薄版も成型されるのです。
このとき地金にかかる力は約80~100t。後の工程を考えて内径は小さめです。マーブルリングの場合はベースとは別にマーブル模様用に、カラーの異なる薄いリングを使う色数だけ準備します。
ベースリングをローラーにセットし、手作業でサイズや厚みを調整していきます。この作業でも地金に圧力がかかり、さらに硬度と均一性が増すのです。
異なる色の薄いリングを重ねて溶圧着したものを切り離して棒状にし、焼きなましの作業をしながらひねっていきます。このねじり具合によってマーブル模様が変化します。
マーブル部分に当たる棒状の地金をハンマーで叩いて平らにし、ねじり模様を定着させます。成分の異なるカラーゴールドの密着度を上げる工程です。
圧延を重ねることで、独特のマーブル模様はさらに複雑で奥行きのある表情に。模様と厚みを指先で確かめながら、手作業でローラーにかけていきます。
ローラー圧延で平たくなったマーブル部分を輪にします。この後ようやく、ベースリングとマーブル部分を一体化させる作業に入ります。
ベースリング(写真ではホワイトゴールド)とマーブル部分を完全に溶圧着。CNC切削機のダイヤモンド刃で、デザイン画に従って削り出していきます。
石留めや仕上げについてデザイナーと最終的な打ち合わせをしながら、ダイヤモンドの位置を決めて穴を開けます。
手作業で地金を寄せて、丁寧にヘラ留め。ユーロウェディングバンドのリングはF~Gカラーレベルの良質なメレダイヤを使用しています。
ベース部分は鮮やかなポリッシュ仕上げ、マーブル部分は味のあるマット加工。リングの表情を決める最終仕上げは、細心の注意を払って行われます。
リングの内側にイニシャルなどを入れることができます。最新のレーザーマシンにより、細部まで鮮明でクリアな線が実現しました。
日本向けのジュエリーの検品は非常に厳しく、世界でもレベルの高い物。細部にわたる入念なチェックを経て、私たちのもとに届けられます。